マスクを使うようになってから、これまで気にならなかった自分の口臭がどうにも気になってしまうという方が多くなってきているようです。
マスクを着用することで、息が外に出ずにマスク内に広がってしまうため、「自分の息が臭いのではないか?」と心配してしまっているのが原因のようです。
スキンケアやメイク、洋服のセンスを磨いても、口臭があると嫌ですよね。
しかし、口臭の原因や種類を理解し、対策を講じていくことで、段々と気にならなくなっていきます。
口臭の原因―そのほとんどが「舌」にあります。
今回は、口臭の原因とその解決方法についてご紹介します。
気になる口臭の特徴と種類
そもそも、口臭とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、口臭の種類についてご紹介します。
口臭①:生理的口臭
生理的口臭とは、一般的に言われている口臭のことを指します。
しかしこれは、時間が経過すると自然に消えるため、正確には口臭とは言えません。
口内が乾燥していると細菌が繁殖し、臭いが生じやすくなりますが、水分を補給することでなくすことができます。
食後のブレスケアや歯磨きをしっかり行えば、あまり心配する必要はありません。
★生理的口臭の例:寝起き後、空腹時、飲食後、緊張しているとき、喫煙した後など
口臭②:病理的口臭
病理的口臭とは、口内または口外の病気によって生じてしまっている口臭のことを指します。
病気が原因の場合は、個人でのケアだけで改善することは不可能です。
自分の状態を把握するために、健康診断や該当する診療科を受診し、定期的な歯科検診を受けて、適切な治療をする必要があります。
ただ、内臓の病気が原因になる場合もありますが、病理的口臭の原因の半数は舌にあると言われています。
なので、この「舌」をきれいにすることで病理的口臭を気にすることなくすることができることもあります。
★病理的口臭の例:舌苔、歯周病、内蔵の病気、耳鼻咽頭の病気、糖尿病など
口臭の原因「舌苔」とは?
舌苔とは、簡単に言うと「舌の表面についた汚れ(白い苔状のもの)」のことを言います。
もっと分かりやすくいうと、皮膚に付着している垢のようなものです。
口内を十分に清掃しないと、舌の表面にある「舌乳頭」という突起に、食べカス、死んだ細胞、剥がれた粘膜、血液成分などが蓄積され、舌苔が増えてしまうのです。
「舌苔」によって口臭がなぜ発生するのか?
口内に常にいる菌が、舌苔のたんぱく質を分解することにより、揮発性硫黄化合物が生成されます。
これらの揮発性硫黄化合物には、独特な悪臭成分が含まれているため、口内が臭くなってしまうのです。
口の中で有毒ガスが常に生成されているというのは避けたいですよね…。
しかし、口内のケアを行うことでこれらの口臭原因を取り除くことができるので、安心してください。
舌磨きで「舌苔」除去が口臭改善の近道!
病理的口臭の原因の中で、最も一般的で自分で対処しやすいものは舌苔です。
舌苔のケアを行うことで、自分の口臭への不安も減らすことができますよ。
舌磨きで舌苔を取り除く
皮膚の垢を洗い落とさずにそのままにしていれば不潔極まりないのはすぐにわかると思います。
それは舌も同様です。
舌の清掃には、歯ブラシや舌専用のスクレイパーを使うのがおすすめです。
舌苔が最も付着しやすいのは朝起きた後なので、朝の歯磨きの時間に取り除きましょう。
舌の粘膜は非常に柔らかいため、傷つけないように注意が必要です。
また、舌の清掃は1日1回くらいにしましょう。
1回ですべて取り除けない場合は、何日かに分けて清掃してください。
舌苔を除去する舌磨き方法
では、舌苔を取り除くにはどのように舌を磨けばいいのでしょうか。
以下にポイントを記載しましたので、ぜひ取り入れてましょう。
舌は粘膜がむき出しとなっている部位なので、繊細に取り扱うことが大事です。
舌磨きのポイント①:歯ブラシは小さいヘッドのものを使う
嘔吐反射を避けるために、歯ブラシを使う場合は小さなヘッドのものを選びましょう。
口の中に異物が入ってきたときにえずいてしまうことを避けるためです。
舌磨きのポイント②:舌を外に出して息を止めて磨く
口の中に異物が入ると、えずくという嘔吐反射を起こします。
そのため、歯磨きをする際には舌を前に突き出し、息を止めるなどして、嘔吐反射を起こさないようにしましょう。
舌磨きのポイント③:磨くときは奥から前に向かって行う
磨くときは、舌の奥から先端に向かって磨きましょう。
舌苔は舌の奥にもつくられるため、舌磨きの際には先端から奥に向かって磨くことが大事です。
また、舌苔に付着している細菌が体内に侵入しないよう、喉の奥に向かって磨くのは避けるべきです。
喉に向かって磨くと、えずきの反射が起こりやすくなりますので、舌先から磨くことを心がけましょう。
舌磨きのポイント④:鏡を見ながら舌磨きをする
舌苔がしっかりと取り除かれているか、またどこについているかを確認するために、鏡を使用しながら行うことがおすすめです。
舌磨きのポイント⑤:完全に除去できなくても問題ない
汚れがたまっていると、舌苔を一度で完全に除去できないことがあり、「掃除したのにきれいにならない…」と感じることがあるかもしれません。
しかし、舌は非常に敏感な部位であるため、何度も掃除することは舌を傷つける原因になります。
翌日また磨くようにしましょう。
舌磨きでも口臭が気になってしまう場合は?
自分の口臭が不安になってしまいばかりに、本当は無臭でも「口臭がある」と思い込んでしまう人もいます。
心配な場合は、病院で口臭のチェックを受けることをおすすめします。
そうすれば、病理的口臭がある場合はケアや治療が必要になりますし、ない場合は問題ないと安心することができます。
大事なことは、自分の状態を正しく知ることなのです。
まとめ
今回は、口臭の原因とその解決方法についてご紹介しました。
人間には生理的に口臭があるため、誰でもある程度の口臭を持っています。
生きている以上、体内には細菌が増殖するのは当然のことです。
口臭が全くないのは異常であり、逆に行きすぎると不衛生になります。
ただし、虫歯や内臓の病気がなければ、適切なケアを毎日行うことで、体内や口内のバランスを良好な状態に保つことができます。
そして、舌磨きで舌苔を日々取り除いていけば口臭のほとんどは対策することが可能です。
これらを日々の習慣に取り入れていきましょう!